メッセージをどうぞ



         3月 静かに雨が降った日の 庭
         小枝についた水滴がきらきら輝き
         常緑樹の緑や地面の茶色が色鮮やか
         ゆったりと幸せに時間が流れていきました



April showers bring May flowers.

これは毎年3月になって雨と出合った日に必ず浮かぶ一文です。夫から教えてもらったとき、私、 ちょっと感動しました。長く厳しい冬と4月のにわか雨。それを経て訪れるのは、 色鮮やかに咲き乱れる5月の花々・・・美しい季節への憧れと期待、人々の営みを感じて、 すてきな詩だなと思ったんです。

でもこれ、後になってやはり夫から知らされたんですが、詩じゃなかったんです。 元はイギリスのことわざ、

  March winds and April showers bring forth May flowers.
  3月の風と4月の雨は5月の花を咲かせる。

から来ていて、その教訓は、「辛いことの後には幸せがくる」のような意味。

ことわざと知ったとき、私、動揺してしまいました。ことわざという言葉で、なぜかわかりませんが、 美しく鮮やかだったものが輝きを失ってしまったように感じたんですね。 それ以降毎年3月の雨の日になると、この一文を思い出してはうっとりしたり、 「教訓か」とさめたり、もやもやしました。

ところが先日、この問題が解決しました。インターネットでこのことわざを調べていて、 関連サイトに、英国の抒情詩人シェリーの「西風に寄せる歌」の一節、

  If winter comes, can spring be far behind?
  冬来たりなば、春遠からじ

を見つけたんですが、この一節が、春を待ちわびる気持ちを表す「ことわざ」として紹介されていたんです。 私たち日本人にも馴染み深い引用句ですが、この一節が多くの人に愛唱されるのは、 耐える勇気を与えてくれるからだとあります。

「そうなんだ。ことわざにだって、例えば『耐えればいいことあるさ』とかいった、 教訓以上のものを与えうるんだ」と、今更ですが理解した私。

  April showers bring May flowers.

この一文だってそう。「ことわざとか詩とか、ステレオタイプに分けたことは愚かであった」と反省し 「これからは心置きなくこの一文を楽しもう」と気分晴々、嬉しくなったちゃたーでした。

03/13/2015  





こんにちは。ちゃたーです。 常連のゲストの方(ライラックさん、セロ弾きゴーシュさん、ドラキチさん)の記事は多様で、 いつもブログ原稿をいただくたびに、読む楽しみと、編集者=初読者であることの幸せを感じています。

前回の掲載はドラキチさんの「フェルメールの『科学と芸術の融合?』の意味」。 それを読んで、「西尾東高校の英語の教科書 LANDMARK が、ドラキチさんのように、 色や光といった観点から(過度の一般化することなく)フェルメールを解説していたら、 私も混乱しなかっただろうに・・・」と思いました。

同時に、LANDMARK 1は日本や日本人のことを多く取り上げていて今まで親しみを持っていたのですが、 フェルメールの章で混乱したので、「この教科書は軽く読み流す程度のほうがいいかも。 もうまじめに相手にするのはやめよう!」と、自分に言い聞かせもしました。

本当にそのはずでした・・・

でも先週、学年末試験の準備で、なぜか去年は飛ばした The Mother of Women's Judo (女子柔道の母 / LANDMARK ILESSON 8)を読んだらアタシ、教科書への不信感を忘れて、 感動しちゃったんです。まったくぶれやすく、懲りないですね。 そして、読後に得た感動を分かち合いたくて、再びこの教科書登場!となりました。

・・・と、以上前置き。今から本題に入ります。

お恥ずかしいことに、柔道に興味がなく知識もない私。 女子柔道が正式なオリンピック競技として認定されたのは1992年のバルセロナ大会からということ、 そこに至るには、一人のアメリカ人女性、 Rena "Rusty" Kanokogi (レナ「ラスティ」カノコギ)の苦難の道のりがあったことを知りませんでした。

ラスティは「女子柔道の母」と呼ばれます。ニューヨーク・ブルックリンの女子不良グループのリーダーで、 自分自身を守るために強くなければならなかった彼女は19歳のときたまたま柔道に出会うのですが、これが彼女の人生のターニング・ポイントとなりました。

40人の男子ばかりの柔道チームのただ一人の女子として、 ラスティは練習に励みます。チームはニューヨーク州 YMCA 柔道競技大会に出場し、 けがをした仲間の代わりに彼女は戦って勝ち、チームは優勝します。でも表彰後女子であることが知られ、 出場規定には男子のみとは明記されていなかったのにもかかわらず、 「メダルの辞退か、チームの失格か」と選択を迫られ、彼女は金メダルを返上します。

「どの女性にも、私が経験したこのようなことが起こってはならない」

ラスティは女子柔道のために、女子スポーツ選手の地位向上のために、困難な戦いを闘い始めます。 そして回りからの支援を得て、ついに女子柔道をオリンピック正式種目へと導きます。

2009年の8月、例の YMCA は、女子柔道界に主導的な貢献をしたラスティ、 女性とスポーツのために戦ったラスティの業績を称え、金メダルを返還します。 実に剥奪から50年後のことでした。貧しい家庭に生まれ、過酷な環境に育った不良少女ラスティが、 半世紀という長い年月の間、新たに道を切り開きながら歩き続け、目指すゴールへとたどり着いた瞬間でした。

「私はこれからも、平等であることのためにずっと戦い続けるわ」といったラスティ。 それから間もなく、その同じ年の11月に、彼女は長い癌との戦いを終え息を引き取るのです。

「女子柔道の母」を読んで感動した私はラスティのことがもっと知りたくて、 オンライン検索しました。そして「英語教科書レビュー」というサイトを見つけました。 そこで扱っている英語の教科書は西尾東高校とは違って GENIUS ENGLISH COMMUNICATION 1 ですが、そこでも LESSONN 7 で「 女子柔道の母」を取り上げていて、そのサイトには日本語訳と解説も載っています。

実はこのサイトの記載は LANDMARK 1と異なっている箇所があります。私、どちらが事実かと多少混乱しましたが、 それはそれ。興味のおありの方は上のリンクをクリックしてみてください。 ラスティ(の物語)は、皆さまに思わぬ感動を呼び起こすかもしれませんよ。

02/26/2015  





ちゃたーさん、こんにちは。ドラキチです。ブログで書かれた、 フェルメールの「芸術と科学の融合?」のお話、大変、興味深く読ませていただきました。 偉大なる天才画家・フェルメール、私も大好き画家のひとりです。日本人というより、 世界中の人々を魅了し続ける画家の一人でしょうね。 ちゃたーさんが「芸術と科学の融合」の意味は不明ですと書かれていましたが、 私なりにこの意味をずっと考えていました。

 彼の作品については、 真珠の耳飾りの少女があまりにも有名ですが、 私は 牛乳を注ぐ女が好きです。彼の作品を多くの学者たちが研究していますが、 「光」に関する科学が隠されているといわれ、光の魔術師と呼ばれています。 確かに彼の作品である「○○の女」シリーズに登場する絵は、 窓から差し込む光に映る陰影を巧みな色で表現しています。

 私も20代の頃、油絵の制作にのめりこんでいた時期がありました。 油絵はいろいろな色の絵具を塗り重ねて仕上げていきますが、 キャンパスの上で視覚的に意図した色を創りあげることは大変難しく、 いつも苦労していたことを思い出します。ご存じのとおり色には 三原色 があり、 光の三原色は R(赤 Red )、 G(緑 Green )、B(青 Blue )で、 三色を混ぜれば白になりますが、色材の三原色は、 Y(黄色 Yellow )、(赤紫 Magenta )、 (青緑 Cyan )で、三色を混ぜれば黒になります。 つまり、絵具はいろんな色を混ぜれば混ぜるほど、黒になってしまいます。 絵具の使い方の難しさが、ここにあります。

 昨年、日本人3人が青色LEDを発明して、ノーベル賞を受賞したことはご存じのとおりです。 3人は効率的な青色発光ダイオードを発明し、明るく省エネルギーな白色光源を可能とした点が、 受賞の理由です。赤色・緑色のダイオードの歴史は長いが、 これまでだれもできなかった青色光を引き出す技術を3人は編み出しました。 この青色光は既存の赤・緑のダイオードと混合することで 「完全な白色」を再現できるようになったのです。

 ところでこの光の三原色と絵具の三原色とには、 表裏一体の関係 があることが科学的に証明されています。 これは「補色」と呼ばれる関係で、人間が絵を見たとき、色材の三原色を光の三原色に置き換えて、 視覚でとらえていることになります。つまり、見ている人が絵を見て美しいと思うのは、 絵そのものが美しいからではなく、絵が放つ色、 つまり光を見てヒトはその絵が美しいと認識するのであると言われています。

 フェルメールは、『人間の目は光の反射を総合的に捉えて色を認識する』 ということが分かっていたから、『青』や『赤』で『光の粒』を描いているという学者もいます。 しかし、この『光と人間の目の仕組み』は、近年になってから解明された理論ですので、 およそ350年も前に、フェルメールはこの仕組みを本当に理解していたのでしょうか?

 ある学者は、『牛乳を注ぐ女』・・・部屋の窓から入った光は、女性の青いエプロンに反射され、 青い光として器に当たる。そこに、フェルメールは青い光の粒をおき、実際に目に映る色は、 その空間にある様々な色が反射して構成されていることを彼は知っていた、と言っています。 フェルメールにとって絵画の美しさとは、誰を描くのか?どんな背景で描くのか?ということよりも、 大切なのは『色』。言い換えるならば『どんな光を描くのか』にこだわっていたのではないでしょうか。

 ちょっとむずかしい話になって恐縮でしたが、「芸術と科学の融合」という意味は、 ここにあったように私は思うのです。

02/14/2015  





私は子どもの頃煮物を沢山食べて育ったせいか、煮物が殊の外大好きです。 一口に煮物といっても様々ありますが、私の煮物はおふくろの味とでも言いましょうか、 お惣菜風の何の変哲もない煮物です。 時期的には筑前煮・大豆や落花生の五目煮・ひじきや切り昆布、切干し大根の煮物・ キャベツの卵とじ・肉じゃが・大根の煮物(ぶりや豚肉と)・豚肉の角煮あるいは煮豚・おでんなどです。

そんな煮物好きにはたまらない茎たち干し・打ち豆・青菜漬け・油揚げなどの懐かしい食材が、 毎年年末になると山形の知人から届きます。これらを使った煮物はまさにおふくろの味で、 この煮物を作ると様々な想い出がよみがえり、何とも幸せな気持ちになるのです。 私は「待ってました」とばかり、おせち料理の一品として加えるために、 いそいそと煮物の準備にとりかかるのが恒例になっています。

茎たち干しなどと言ってもみなさんには全くなじみがないかもしれません。 茎たち干しとは 茎たち菜 を保存用に干したものです。 打ち豆 は青大豆をつぶしたものです。 私が子どもの頃は家族みんなで夜なべ仕事に、この大豆を一粒ずつ金槌でたたいて作ったものです。
当時は流通網が全くと言っていいほど発達しておらず、 雪深い山形では野菜といえば雪が降る前に土の中に埋めておいた大根・人参・ ごぼうなどを欲しい時に雪をかき分け掘り出すか、沢山作っておいた高菜や白菜などの漬物を塩抜きして、 漬物や煮物として食べるしか方法がありませんでした。 茎たち干し・高菜漬け(今は青菜漬けというそうです)の煮物などは寒い冬に野菜を食べる先人の知恵だったようです。 では珍しい食べ物『茎たち干しの煮物』の作り方をご紹介しましょう。


茎たち干しの煮物


  1. たっぷりのお湯で茎たち干しを軟らかくなるまで煮て、そのまま一晩おく。
  2. 茶色の水がなくなるまで洗い、適当な大きさに切る。
  3. 人参は千切りにする。
  4. 糸こんにゃくは下茹でし、適当な長さに切る。
  5. 油揚げは油抜きして、細く切る。
  6. 打ち豆は軽く茹でておく。
  7. その他、家にあるきのこ類、竹輪、さつま揚げなど冷蔵庫にあるものを適当に切っておく。栄養面を考えて何でも入れる。
  8. 茎たち干しを油で軽く炒め、煮えにくい人参も炒める。
  9. その他の材料を入れ、作り置きしておいただし醤油 八方美人、 味醂、酒、だし汁、塩麹など適当に入れて煮ながら、時々味見をして好みの味になったらできあがり。
こんな煮物の作り方を紹介しても皆さんのお役に立たないことは百も承知ですが、 実は 青菜漬け(せいさいづけ)の煮物もこれとほぼ同じ煮方でできるのです。 もし、皆さんが野沢菜の漬物などを買ったりいただいたりして少し古くなって、漬物として食べるのはちょっと?と思ったら、 次のような作り方で是非お試しください。


青菜漬けの煮物

  1. 青菜漬けは2センチ位の大きさに切り、水から軟らかくなるまで茹で、冷めるまでそのままにしておく。 (洗わずに煮ること。洗ってから煮ると軟らかくなりません。)
  2. 塩加減にもよりますが、水を数回替え、塩抜きをする。多少塩分が残っているぐらいがよい。
  3. 青菜を軽くしぼり、油で炒めてから好みの具材を入れ、茎たち菜を煮る要領で煮る。 一般的には油揚げ、打ち豆、糸こんにゃくなどと煮ることが多い。好みで豚肉、鷹の爪を入れることもある。

私が子どもの頃過ごした山形にはこの他にも沢山の郷土料理があります。
十数年前までは ひょう干し がこの年末の贈り物の中に必ず入っていました。 ひょう とはこの辺の畑などでもよく見かけるめっぽう暑さに強い畑の害草とも言われる スベリヒユ という夏の草です。 このひょう干しはその名前から『ひょっとして良いことがあるように』と、元日に食べたものです。 ちょっと癖がありますが、夏にはからし醤油などで食べるのが大好きでした。 この縁起物のひょう干しも近年は人気がなくなり、今やひょう干しを買うことは困難になったとか…。

その他、わらび、ぜんまい、こごみ、たらの芽、こしあぶら、ふきのとうなどは言うに及ばず、 とげが防犯の役目をし、その新芽が食用にもなる上杉鷹山公が垣根として植えることを奨励したと言われる うこぎ なども独特な風味と苦味からか、今も春を告げる野菜として重宝されているものもあります。

昨年友人が送ってくれた食用菊 ( もってのほか )などもそうです。独特の香りと風味があり、 色が鮮やかで食べて良し、見て良し、もってのほか優れた食品です。 この食用菊の花びらをむしるのも子ども達の仕事でした。これがけっこう大変な作業でした。 この食品も茹でてから冷凍保存できるので、お正月料理など食卓に彩りを添えるのに一役かっています。 写真はつい先日ほうれん草のおひたしにもってのほかを使った一品です。

余談ですが、私はNHKのアサイチで見た八方美人というだし醤油が気に入っています。 冷蔵庫でもかなり保存できるそうですが、私は冷凍保存しています。 不思議なことにこの八方美人は冷凍保存しても凍りません。ただ普通の醤油をこの分量だけ使うと色が濃すぎて、 切干大根などを煮るには不向きです。私は普通の醤油と薄口しょうゆや白醤油を適当に混ぜて、 色があまり濃くなり過ぎないように注意して作っています。

八方美人を知ったのは、6・7年前のことなので残念ながらその時のサイトはなくなってしまいました。 この八方美人をそのまま使って、茄子とピーマンと豚肉に少し砂糖を入れて炒め煮にしたものは、 夏の我が家ではなくてはならない一品になっています。その他、 塩麹 も最近のお気に入りの調味料です。

冬はまさに煮物に持って来いの季節です。みなさんもお好きな煮物を作ってみませんか。 文中の 灰緑色 の言葉にはリンクが付いていますので、 よろしければご参照ください。

02/05/2015  




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